いきなりですが、最近のゲームって難しくないですか?理由は「ボタンが多いこと」が大きいと思います。そこで今回は、ゲーム会社に勤めるゲームプランナー観点で考えていることを書いていこうと思います。
この記事は2020年に投稿した記事を再編集し投稿しています
最近のゲームの操作が難しいと思うのは私だけ?|ゲーム体験を工夫しよう
- 最近のゲームの操作が難しいと思うのは私だけ?|ゲーム体験を工夫しよう
- 昨今のゲームの複雑化について
- コントローラにボタンが多いと操作が複雑に感じてしまう罠
- 操作の複雑化はしょうがないと思うので、工夫をしよう
- ゲーム開発者とゲーム初心者のプレイ感にズレが生まれている
- 最後に
昨今のゲームの複雑化について
1983年にファミコンこと「ファミリーコンピューター」が登場して40年が過ぎました。もうすぐで半世紀なんですね・・・(今回の話とは関係ないけど)。
その結果というか過程というか、事実としてコントローラの「ボタン」や「キー」の数が少しずつ増えてきました。
ファミコン
十字キー、Aボタン、Bボタン、SELECTボタン、STARTボタン
計5種類
これが
PlayStation5
十字キー、Lスティック、Rスティック、○ボタン、×ボタン、□ボタン、△ボタン、L1ボタン、L2ボタン、L3ボタン、R1ボタン、R2ボタン、R3ボタン、OPTIONボタン、SHAREボタン、PSホームボタン、タッチボタン
計17種類
ニンテンドースイッチ
十字キー、Lスティック、Rスティック、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、Lボタン、Rボタン、ZLボタン、ZRボタン、Lスティックボタン、Rスティックボタン、キャプチャーボタン、ホームボタン、ーボタン、+ボタン
計18種類
なんと、最新のゲーム機についているボタン数はファミコンと比べると3倍以上のボタン数になっています。客観的に見ても、これはとても多いと感じるのではないでしょうか。
コントローラにボタンが多いと操作が複雑に感じてしまう罠
コントローラにボタンが多くなると、何を押せば良いのかわからなりやすくなり、ユーザーはゲームに対して複雑そうな印象を受けるようになります。
そのため、ゲーム開発ではなるべく複雑に感じないようにゲームの操作を考えて、ゲームデザインを意識する必要があります。しかし、ゲームに慣れている人ならば良いのですが、今のコントローラを始めて手に持ったような初心者の方々は、おそらくプレイすることはできないでしょう。
とはいえ、子供は吸収力が高いので、多少複雑でも適応をしてくれると思います。しかし、大人になって初めてゲームをやった層は今のゲームはかなり取っ付きにくくなっていると思います。
今、ニンテンドースイッチが売れている理由は、コントローラで遊ばない方向性であることが一番大きいと思います。例として「リングフィット アドベンチャー」などを見てみるとわかると思います。このゲームはボタンをポチポチするのではなく、体を大きく動かしてプレイするので、操作が明快なのです。
操作の複雑化はしょうがないと思うので、工夫をしよう
正直に、操作の複雑化はしょうがないと思っています。
より大きな体験をさせようとすると、どうしても操作が複雑になってしまうからです。
なので、ゲームの体験を工夫するしかありません。
「より直感的な操作ができる」ということが必要となります。
例えば、ハンドルコントローラとかならばアクセルボタンがあれば加速するとわかりますし、ハンドルを回せば曲がることもわかります。銃のコントローラーなら引き金を引けば、弾を打つことができるとわかります。
このように、現実世界とリンクしている操作方法ならベストだと思います。
しかし、それぞれのゲームで専用コントローラを使うようなことはコストになり、厳しいと思いますので、このようなわかりやすさを汎用的なコントローラで実現する必要があります。
十字キーや左スティックは「移動」のツールとして使えるので直感的だとおもいます。
問題はそのほかのボタンです。
直感的に操作をさせることが厳しいので、その他の方法で考えさせるための方法は「よくある操作に合わせる」という方法です。
日本人のゲームの基本は「マリオ」です。なので、マリオに合わせると多くのユーザが直感的にプレイできるようになります。例えば、Bボタンでダッシュ、Aボタンでジャンプなのでその操作に合わせるって感じです。
過去のゲームに習って、操作方法を考えるというのは一つの工夫としてはありだと思います。
ゲーム開発者とゲーム初心者のプレイ感にズレが生まれている
最近、感じるのはゲーム開発者とゲーム初心者のゲームに対するプレイ感にズレが生まれていそうだなと考えることがあります。
今のゲーム開発者って、ほとんどが小さい頃からゲームに親しんできた人がほとんどです。なので、簡単な操作だと何も見ずにある程度プレイできるんですよね。しかし、ゲームのライトの人たちはそうではないのです。まずは、じっくり説明書などを観る人も多いと思います。何か機械を使うとき、マニュアルを観ますもんね。
けど、最近のゲームって全部チュートリアルにしているので説明書がないんですよね。
なので、一個一個確認しながらプレイがしにくいなと感じています。
個人的にはPS4史上一番おもしろいと感じたファイナルファンタジーVII リメイクですが、あまりゲームをプレイしない人にはかなり難しいと感じる作品だったようです。おそらく、30年前とかに比べるとヘビー層とライト層の違いが大きくなっているように感じます。
近くにゲームがそこまで好きじゃない友達や恋人・奥さんがいる人は割と冷静にその点が見えるので、そういう人物は重宝しています。
かくいう私も、あまりゲームをしない人が近くにいたので、その人を基準にゲームを考え、難しくなり過ぎないように工夫をしています。
最後に
今回はかなり自由にゲームについて、日頃考えていることを書かせていただきました。
最近はe-Sportsとしてプロのゲーマーも登場し、盛り上がりを見せるゲーム業界ですが、メジャーなジャンルになれるのか、マイナージャンルで終わるのかの瀬戸際だとも思うので、今一度気を引き締めて、ゲーム製作を進めていきたいと思います。
また、次回もよろしくお願いいたします。