最近、香川県の法案やWHOで新しい症例に登録されたことで注目されている「ゲーム依存症」。テレビでは、まるでゲーム自体が『悪』であるかのように言いますが、そうではありません。どんなものにも限度があり、度を越えれば病気と言われるのは当たり前です。
そして「ゲーム依存」と「ガチャ依存(中毒)」は全く別の問題なのですが、メディアは同じ扱いにしてミスリードをしています。
そこで今回は、テレビではやし立てている『ゲーム依存』について、現役のゲームクリエイターとしてお話をさせていただけたらと思いますので、お時間あればぜひ読んでください。
ゲーム|現役ゲームクリエイターが考える「ゲーム依存」の真実【メディア・医者の考えはミスリード】
- ゲーム|現役ゲームクリエイターが考える「ゲーム依存」の真実【メディア・医者の考えはミスリード】
- テレビの話は大げさ+誇張している
- 20時間プレイしていると言っても依存とは限らない
- テレビで追及しない『ゲーム依存症』の本当の問題点
- ゲーム依存=人への依存
- ガチャ依存は別問題
- 最後に
テレビの話は大げさ+誇張している
よく、『ゲーム依存』に関する番組でインタビューされる人が話す内容は
「24時間ぶっ通しでやったことがあります」
「毎日20時間はやってますね」
「1回のイベントに〇万円使いました」
というもの。
これらはあまり真面目に受け取らないほうが良いです。
なぜなら、これらについてインタビューされている本人は恥ずかしいことではなく
『武勇伝』
として語っているからです。なので、誇張された内容も多いと思いますし、今現在が大丈夫なら何も問題はありません。
ほんと、お酒に強い人がお酒に対して自慢するのと同じ感覚だと思っていただけたらいいと思います。
ほんと「今日2時間しか寝てないわ~」とかと同じくらいの感じです。なので、聴くだけ無駄です。話を流しましょう。
20時間プレイしていると言っても依存とは限らない
良く「ゲーム依存症」で聞く話の一つ
1日20時間以上プレイしています
という話。
この中には様々なプレースタイルが存在することを考えてほしいです。
そして、20時間ぶっぱなしで真剣にプレーすることはまず不可能です。
ネットゲームの場合、このように話しているユーザの半分以上は「チャット」の時間が長く含まれていると思います。なぜなら、長時間プレイすることはコミュニティの存在が大きく関わっていることが多いからです。
ほんと、想像できない人は友達と飲み屋やカフェ、ファミレスで長話することと同じ感覚だと思っていただけたらわかりやすいと思います。
なので、正直疲れないんですよね。ずっとダラダラとできるので。そのような方は正直、「ゲーム依存」には当たらないと思っています。友人と話す場所が変わっただけですからね。
テレビで追及しない『ゲーム依存症』の本当の問題点
ここからは自分の意見になります。
一般人の意見なので、医学的根拠とかはないのでその点はあらかじめご了承ください。
ゲーム依存、ゲーム依存と色々と話がテレビで出たりしていますが、一つ考えてほしいのは、怖いのは「依存症」であることです。
しかし、アルコール依存症とか薬物依存とは若干異なるのでは?と私は思っています。
上記のアルコール依存症などは本能的に「気持ちいい・楽しい・楽になれる」という感覚が時期になくてはならなくなってしまい、依存に陥ってしまうものだと思います。
確かに、ゲームにも「楽しい・気持ちいい」という気持ちはもちろんあります。
しかし、体を動かすスポーツと同じで体力を削りながらその「楽しい・気持ちいい」を得ているので、限界があるんですよね。なので、死ぬまでプレイするのは無理です。
マラソン好きな人が途中で気持ち良くなっちゃう「ランナーズハイ」というものがあると思うのですが、それで死ぬ人はいないですよね。
ゲームも同じで、「ゲーム依存」で死ぬ理由は、ゲームのしすぎで血管が切れることなどは大抵ありません。
「ゲーム依存」で死ぬ理由はもっぱら同じ体勢でずっとプレイすることにより「エコノミー症候群」にかかることです。なので、たまに立ったり、歩いたりすれば死ぬことはまずありません。
ゲーム依存で一番の問題は、F2P(基本料金無料)のネトゲが流行り始めた20年前からすでに「人への依存」ということがわかっています。
ゲーム依存=人への依存
ゲーム依存の大抵はネットゲーム内での他者への依存です。
昔に良く流行った「ゲーム廃人」「ネトゲ廃人」という言葉、これの理由として有名だった話が
「俺がいないとみんなが死んじゃう」
「みんなが俺を待っている」
という心理状態に陥ってしまうことです。
こういう心理状態になってしまうので、24時間ログインしようとしてしまうのです。
この裏には、
みんなに必要とされている
という変な責任感があるのです。
日常生活で期待や頼られることが少ない人が、心の穴を埋めるようにそれにすがってしまうのです。またはそういう状況に慣れていないから過剰に反応してしまうと言った方がよいのかもしれません。
アルコール依存・薬物依存と似ていると「ゲーム依存」の第一人者と言われる樋口進先生が言っていますが、自分は全く別のものだと思っています。
うん、このカバー絵からしてわかってないのがよくわかる。
だって・・・上の本に他者への依存についての絵が表紙に書いてないですもん・・・。この先生って年齢的に同じような状況になるまでゲームしたことあるのでしょうか。正直、そういう気持ちを多少なりとも経験したことない人には理解することは不可能だと思います。
学生時代、学校から帰ってから明け方までネット仲間とサッカーゲームをしまくっていた自分ならわかります。20年前の本の方が良いこと書いていそうですね。
本当のゲーム依存について書かれているのは11年前に出たこの本です
「私が眠るとみんな死んじゃう」
ネットゲーマーにしか通じない気持ちがある。「ゲーム依存症」という一言では括れない、独自の世界がある。しかしそれは、自らが「廃人」という言葉を使うようにリアル(現実)の世界を捨てる、生き方でもある。著者は、19人の「ネトゲ廃人」とともにインターネット・オンラインゲームの光と影を追う。彼らは、一体、どこへ向かうのか?
ガチャ依存は別問題
さて、次に注目するのは「ガチャ依存」の話。これはかなり深刻な問題です。
ただ、前の章で張った樋口進先生はこちらの問題を「ゲーム依存」とごっちゃにしていますが、これは全くの別物です。
自分が欲しいアイテムを取るというのはゲームシステムには関係ないのでゲーム依存とは関係はありません。
私は「ガチャ依存」は「ギャンブル依存」に近いと考えています。
もうすぐ好きなものが手に入るという射幸心を掻き立てるからです。ガチャの場合は電子データですが、ギャンブルの場合はお金ですね。
正直、ガチャにしても、ギャンブルにしても自分のお小遣いレベルならば問題はありません。私生活に影響があるレベルまでのめりこむ人が依存となるのです。
最後に
今回は、現役のゲームクリエイターの一人として、「ゲーム依存」の真実について語りました。正直、テレビ等のメディアはミスリードしている感が否めません。10年、20年前の方がこの問題に向き合えていたと思います。
最後にもう一度伝えておきますが、ゲーム依存とガチャ依存は別です。
そのことを意識した上でもう一度、今回のゲーム依存という話について考えてみてください。
明日もよろしくお願いいたします。